【ゼロワン】21・22話、闇に堕ちた銀のホッパー

仮面ライダーゼロワン』

第21話「異議あり!ソノ裁判」
監督:杉原輝昭
脚本:高橋悠也

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第22話「ソレでもカレはやってない」
監督:杉原輝昭
脚本:高橋悠也

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【感想】

 第21話、いつもと予告の流れるタイミングが違うなと思ったら、予告でメタルクラスタホッパーが登場し、その後におもちゃのCMが流れるという。なるほど、こういうことも出来るのか。

 人間とヒューマギアのお仕事5番勝負、第3回戦は裁判対決。これまでとは違い、事件の真犯人と正体不明のレイダーを追う、刑事モノのような展開で進んでいきます。そしてその結末も、今までのように「レイダーになった人間が改心する」というものではなく、アークに人間の悪意をラーニングさせたのは天津垓であることが判明したり、メタルクラスタホッパーの登場といった、物語が大きく動き出すきっかけへと繋がっていきます。

 サウザーの金に対して、メタルクラスタホッパーは銀。普段の服装も、或人が黒で垓が白なので、2人の対立がわかりやすい。

 毎回、巧みな話術で相手を追い詰め、自分の意のままに操る天津垓。今回もその話術が遺憾なく発揮されています。第21話の冒頭、ザイア側が裁判勝負を持ちかけた際、人の人生がかかった裁判を勝負に利用すべきではないと反対する或人に対して、「ヒューマギアの力で被告人の人生を救えるとしたら、あなたはどうしますか?」と挑発し、勝負に誘い込む。また、真犯人は市森検事ではないかと飛電側が問い詰める場面では、市森検事の疑いが晴れ自分たちが有利だとわかるやいなや「これは名誉毀損だ」と弁護士ヒューマギア・ビンゴを追い込み、暴走させる。この相手の隙をつく論法とスピードが恐ろしい。ビンゴを破壊することで或人の怒りを引き出し、ゼロワンをアークと接続させ、さらにはメタルクラスタホッパーへと変身させる。これも全てザイアのシナリオ通りらしいけど、この社長の目的は一体何なんだろうか。

 そんな垓にも操れなかった人物が、今回登場した市森検事。いつものように1000%ジョークでプレッシャーをかける垓に、「信用していただけないなら、この勝負からおりてもかまいません」と、これまでとは違った反応を見せる市森。判決が無罪になったのは、市森検事が審理のやり直しを要求したことがきっかけでした。もしかしたら、市森検事の悪意に染まらない善意が、この会話の中ですでに示されていたのかもしれません。

 真犯人が警視庁の鳴沢だとわかった場面。首を鳴らして、不破諌が鳴沢に近くところで場面が変わり、その後、傷だらけになった2人が法廷へ乱入してくる。フリとオチだけを見せて過程を想像させる、省略のギャグが結構好きだ。