【ゼロワン】28・29話、アサルトからランペイジ

仮面ライダーゼロワン』

第28話「オレのラップが世界を変える!」
監督:杉原輝昭
脚本:高橋悠也

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第29話「オレたちの夢は壊れない」
監督:杉原輝昭
脚本:高橋悠也

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【感想】

 自分が渡した道具でボコボコにされる天津垓さん(49日ぶり2回目)。

 飛電vsザイアの「お仕事五番勝負」もいよいよ大詰め。飛電と政府が進めるヒューマギア自治都市構想、その住民投票が最終決戦の場に選ばれた。ザイア側は、ヒューマギア廃絶を訴える政治家・由藤議員を起用。対する飛電も政治家ヒューマギアを用意しようとするが、そんなヒューマギアは開発していない。ヒューマギアが政治家になることは法律で禁じられているとのこと。そこで代わりとなったのが、ラッパーヒューマギアのMCチェケラ。ラップを使った演説で、若年層を中心に支持を得ていく。こういった作品にはめずらしく、結構しっかりラップを作っていておどろいた。これは誰が作ったものなんだろう。そして、いまいちノリきれていないイズがかわいい。

 両陣営とも演説の中に過去の映像を引用している。由藤議員はヒューマギアが暴走する場面。MCチェケラはヒューマギアと人とが通じ合う場面。この映像はどちらも真実で、お互いに自分たちの都合の良い場面だけを切り取って使っている。第28話は、この「映像」や「記憶・メモリー」がキーワードになっているように思います。

 由藤議員が賄賂を受け取る現場を取り押さえたMCチェケラ。生放送の討論番組でその証拠映像を突きつける。しかし、由藤議員は「記憶にございません」と有名なパンチラインで映像を否定。事務所のカメラ映像を見せて、同時刻に別の場所にいたことを主張し、「フェイク映像だ」とMCチェケラを非難する。事実を捻じ曲げられたことに憤るMCチェケラ。垓の挑発に乗り、自分の意思でマギアへと変身。その様子が放送され、飛電の支持率は一気に低下してしまう。前回に引き続き、カメラへのアピールが上手い垓の勝利となりました。

 一方、諌は迅からある映像を見せられる。それは、自分が滅の脱走に手を貸している証拠映像だった。身に覚えのない諌は激しく動揺する。スラッシュライザーを構える迅。いつもならここで戦闘となる場面ですが、諌はそのまま逃走。「ヒューマギアをぶっ潰す」という諌の意思に反する行動で、彼の自我が揺らいでいることが示されます。

 亡のチップを脳に埋め込まれ、ザイアと滅亡迅雷の両方から操られる諌。そんな彼が思い出したのは或人のセリフ「夢を持って前に進めば、笑える未来が待ってる」。街頭では誰一人耳を貸さなかったこのセリフが、諌にはちゃんと届いていた。今まで過去の怒りで戦っていたバルカンが、夢を見つけるため、未来のためにランペイジバルカンへと変身する。そのためかどうかはわかりませんが、初変身は銃弾を受けながらも前へ進む形で描かれていました。

 諌がザイアの洗脳を解く直前に思い出していたのは、「私は道具じゃない」と言い聞かせる唯阿の様子でした。ということは、唯阿を救いたい思いが洗脳を解く切っ掛けになったのかな。回想の後に「〜と生きる道を」みたいなセリフが小さく聞こえたけど、これは誰のセリフだろう。ヒューマギアを憎んでいた諌がイズのピンチに立ち上がるというのも大きな変化だ。

 「お仕事五番勝負」に勝利し、飛電を手に入れたザイア。衛星ゼアを手に入れようと、ラボのロックを開けるためにパスワードギャグを披露する垓が見られるのでしょうか。いや、垓ならそういうことは道具の唯阿にやらせそうだな。それはそれで見てみたい。