『FFⅣ』をクリアしたので、その感想を。

ファイナルファンタジーⅣ』クリアしました。プレイ時間は27時間ほど。

ファイナルファンタジーⅣ』(1991)

 スーパーファミコンで発売されたシリーズ4作目。ハードの性能を生かした音楽やグラフィックの進化はもちろんのこと、シリーズの代名詞とも言える「ATB」が初めて導入された作品でもあります。コマンド入力のバトルに時間の流れが生まれたこのシステムですが、初の試みということもあってか荒削りな部分もあり、後のシリーズではお馴染みの待ち時間を確認できるゲージもありませんでした。このゲージがあるのとないのとでは結構印象が変わってきます。ゲージがないと「いつ順番が来るのだろう」と、何度も敵の攻撃を受けるキャラを見ながら、少し理不尽な気持ちになりました。銀行の番号札のようなもので、自分があとどのくらい待てばいいのかがわかると何となく安心します。それに、次に行動できるキャラがわかると戦略も立てやすいですし。ゲージひとつでこんなに違うんだなと感心した部分です。

 物語は、王様の任務を終えた主人公のセシルが、バロン王国へ帰還する場面から始まります。非人道的な任務に葛藤するセシル。そこへ突然魔物が現れ、いきなり戦闘に。この、事件の途中からいきなり始まる感じが『Ⅱ』から続くFFらしい部分だと思います。全体の流れはおおまかに、前編・中編・後編と分けることができ、3つのフィールドマップを行き来します。後編の舞台は宇宙、月面。SFチックな内容で、それまでの世界観からガラリと変わるダイナミックな展開。ドット絵と動き、カメラワークで見せる宇宙空間の演出が素晴らしい。

 登場するキャラクターたちにもそれぞれドラマがあり、加入と脱退を繰り返しながら、ポンポンとテンポよく展開していく様はさすがFFと言ったところでしょうか。ただ、「別れた仲間が実は……」という展開が多くて、個々の印象が薄くなっているのがもったいないように思いました。もしかしたら、当時の子どもたちと同じように、ゲームは1日1時間でちょっとずつ進めていくと、また違った印象になったのかもしれません。それでも、クライマックスで仲間が集結するシーンにはグッと来るものがありましたね。あの場面でオープニングの曲が流れるのも、お約束ですがやはり良い。

 今回、特に印象に残ったのが、ミストの村を訪れたあとの場面。セシルはリディアという少女と2人で広大な砂漠を彷徨うことになります。それはプレイヤーも同じで、目的地がわからないまま砂漠に放り出された不安や、バトルで全滅してしまうんじゃないかという恐怖がセシルと重なって、すんなりと感情移入することができました。