【ゼロワン】26・27話、画角を1000%理解した天津垓

仮面ライダーゼロワン』

第26話「ワレら炎の消防隊」
監督:上堀内佳寿也
脚本:高橋悠也

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第27話「ボクは命を諦めない」
監督:上堀内佳寿也
脚本:高橋悠也

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【感想】

 飛電とザイアの「お仕事五番勝負」、第4回戦は消防士対決ということで、とにかく炎がすごかった。火災現場のシーンはもちろんのこと、最後のサウザーvs迅のアクションシーンまで、炎マシマシな回でした。

 火災訓練のビルからより多くの人を救出した方が勝者となるこの対決に挑むのは、消防士の穂村隊長と消防士型ヒューマギアの119之助。穂村隊長との関わりを通じて、119之助が「命を救うこと」の意味を理解し、絶体絶命の要救助者を救い出す。そんな119之助の姿を見て、穂村隊長もヒューマギアに対する意識が変わっていく。或人の夢見た「人とヒューマギアの共生」が描かれます。

「命を救うのが消防士の仕事です」と炎の中に突っ込み救出経路を確保する119之助。命を持たないヒューマギアが自分を犠牲にして人を救う、悲しくも感動的なシーンですが、最初にここだけ見てもヒューマギアがどの程度炎に耐えられるのかわからず、感動が薄れてしまう。そこで鍵となるのがシェスタの存在でしょうか。シェスタが熱で故障してしまう様子を見せておくことでヒューマギアの耐久性がわかり、119之助の決意がより感動的なものになっているのだと思います。

 第25話に引き続き上堀内監督回。やはりカメラがよく動く。カメラだけでなく、背景にいる消防士たちもたえず走り回っている。フレームイン・アウトの演出も多く、画面外の世界をより感じることができました。119之助が暴走する場面。ヒューマギアの危険性を訴えながらゆっくりとカメラに近づく垓。最初、垓に隠れて119之助は見えないが、垓が左にフレームアウトすることで暴走した119之助が映り、マンモスマギアとなってカメラに向かってくる。画面の手前と奥をうまく使った演出がおもしろい。

 毎回、話術で相手を翻弄し、悪意を振りまいて来た垓。今回、その矛先がとうとう唯阿へと向けられる。シンギュラリティの兆候が現れた119之助を暴走させるよう命じられ、それを実行してしまう。そんな悪意の淵から唯阿を救うかのように、唯阿の腕をつかんで垓から遠ざける諌。かっこよかった。消火が終わったあと、諌と同じように建物に飛び込む或人とそれを追う唯阿。或人と119之助の関係を見届けるのが唯阿だったのは重要な気がします。或人と諌と119之助、3人の善意を目の当たりにした唯阿の意思が今後どう変化していくのか気になりますね。

 或人と対立する福添さんも、或人と同じく「人とヒューマギアの共生」の夢を見ていたことに何だか安心した26・27話でした。