【ゼロワン】第25話、俺には夢がない

仮面ライダーゼロワン』

第25話「ボクがヒューマギアを救う」
監督:上堀内佳寿也
脚本:高橋悠也

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【感想】

 メタルクラスタホッパーの暴走が収まり物語も一段落したところで、これまでの物語を振り返る総集編かと思いきや、後半では仮面ライダー迅がバーニングファルコンとなってよみがえり、これからの物語につながる展開を見せる、そんな第25話でした。

 ヒューマギアの開発を担当している博士ヒューマギア・博士ボットが、アークとゼアの歴史を振り返る場面。セリフが多く、人物が会話するだけの画が続きがちなこの場面で、それを感じさせないカメラの動き。冒頭のラボから社長室へ移動するダイナミックなワンカットから始まり、会話する4人の周りをぐるりと一周するカット、回想と回想の間の短いカットも絶えずカメラが動いていて、室内で情報を整理しているだけでも物語が進行している印象を受けました。

 一方、天津垓が野望を語る場面や、或人と不破諌がデイブレイクタウンへ向かう場面などの屋外のシーンでは、その広さを活かした奥行きを感じさせる引きのショットが印象的。

 そして、今回明らかとなったザイアの目的、仮面ライダーの兵器転用。仮面ライダーを最強の兵器として売り出すためにアークとエイムズを作ったという、アナハイム社も真っ青な死の商人ぶり。知らず識らずのうちに利用されていたことに憤る諌。前回、滅が言っていたのはこのことだったのか。さらっととんでも無いことを暴露しちゃったけど、このことをマスコミにリークすれば飛電の大勝利なのでは。久知唐雄が黙っていないでしょう。それとも、ザイアにはマスコミをも封じる手立てがあるのだろうか。

 前半からちょくちょく映っていたバーニングファルコン。まだ出ない、まだ出ないと焦らされて焦らされて、ようやく登場した迅がスーツ着てるーって謎の感動がありました。タイトルのセリフ、博士のものかと思っていたら、迅のものだったんですね。迅の無邪気な部分は残しつつも少し大人に成長している感じも良かったな。なぜ復活したのかはご想像にお任せするということだけど、使っていた短剣のような変身アイテムの名前が「ザイアスラッシュライザー」。これも全てザイアのシナリオ通りなのかな。

 「人とヒューマギアが笑いあえる未来のため」「自分のルールでぶっ潰す」「ヒューマギアの自由のため」など。これまでの情報を整理するのと同時に、各キャラクターの意思が改めて描かれていることも今回の特徴ですね。ただ一人、刃唯阿を除いて。垓に従いつつも、その表情は険しい。唯阿の意思が今後どのように変化していくのか気になるところ。