『P3P』ペルソナ使いになった夢を、私が見ていたのか、

 『ペルソナ3 ポータブル』(2009) クリアしました。プレイ時間は103時間ほど。最近発売されたリマスター版ではなく、PSP版をPSVItaでプレイしました。実は数年前に買って遊んでいたのですが、なかなかゲームをする時間がとれずに途中でやめてしまったんですよね。リマスター版の発売をきっかけに、もう一度最初からクリアを目指すことに。

 それにしてもすごいボリューム。普通にクリアするだけなら50時間ほどらしいですが、自分は終盤に登場するダンジョンでのレベル上げが楽しすぎて、気づけば100時間を超えていました。終盤になるとタルタロス探索ぐらいしかやることがなくて、疲労を回復するアイテムも余っていたので、毎晩タルタロスに登っていました。ペルソナシリーズって、学園生活を一日ずつ進めていくゲームだから時間がかかるイメージでしたが、実際は戦闘が大部分を占めているんですね。

 その戦闘がおもしろい。戦闘で敵の弱点を突くと敵がダウン状態となり「1MORE」が発動してもう一度行動できるようになります。いかに効率よく弱点を突いて「ずっと俺のターン」できるかを考えるのが楽しい。全ての敵がダウンしたときに出てくる「総攻撃」のコマンドで敵を倒すと、稀に経験値のボーナスがもらえて、このボーナスでガンガンレベルが上がっていきました。主人公と所持ペルソナの何体かはLV99に。所持ペルソナのレベル上げは、ハイグロウのスキルカードが宝石と交換で手に入るので助かりました。戦闘を有利に進めて豪華な報酬が手に入る一石二鳥のシステム。

 カッコいいOP映像で印象的な「Memento mori」の文字。「人に訪れる死を忘れることなかれ」という意味らしいのですが、まさにこの一言に尽きるゲームでした。登場人物の多くは、家族や友人など大切の人を亡くしていて、その死を乗り越えて成長するというのが本作のストーリー。また、影時間の棺桶や召喚器の銃といった死を連想させる小道具も数多く登場します。死が身近に感じられる世界観、限られた時間の中で日々をどう過ごすか、ゲームシステムとも密接に関わってくる部分です。そしてそれは現実の自分にも突き刺さる「103時間もゲームしちゃっていいのか?」「いいんだ」

 主人公はプレイヤー自身を投影するもの。デフォルトの名前も用意されていません。セリフもなく、表示された選択肢をプレイヤー自身が選んでいきます。世界観や登場人物の関係についても、プレイヤーは転校してきた主人公と同じタイミングで知ることになります。ゲームの中に生まれたもう一人の自分。ペルソナシリーズは他に4と5をプレイしましたが、共通しているのは「ゲームクリア」=「ゲームとの別れ」をきっちり描いていること。ゲームの中の自分が共に戦った仲間や日々を過ごした街と別れて、現実の自分へと帰ってくる、そんな感覚。「胡蝶の夢」というテーマも納得の好きな終わり方です。

 アイギスが人気な理由がわかりました。ただのメカ娘じゃなかったんですね。