【ゼロワン】第5話、情熱の赤い新フォーム

仮面ライダーゼロワン』
第5話「カレの情熱まんが道
監督:柴崎貴行
脚本:筧昌也

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【感想】

 滅亡迅雷.net の目的が徐々に明らかになっていく第5話。「お前は俺の息子だ」という謎のセリフも飛び出して、今後の展開がますます気になります。

 今回登場するのは、高性能なヒューマギアに全てを任せ、漫画を描くことをやめてしまった漫画家。買い出しや新しいヒューマギアの注文までヒューマギアにさせて、自分はだらだらと飲んで食ってばかり。食べているのがフルーツとオレンジジュースなのが意外と健康的。便利な道具に頼りっぱなしで、仕事への情熱を失ってしまった人間が、再び情熱を取り戻す様子が描かれます。

 情熱を取り戻すきっかけとなったのが、ビカリアマギアが襲ってきたとき、「これだけは」とあわてて手に取り守った1本のGペン。だいぶ汚れていて、何年も愛用していたことがわかります。調子の悪くなったヒューマギアはすぐに新しいものと交換している様子が前半で描かれているだけに、汚れたペンを守る姿はとても印象的でした。場所もちゃんと覚えていて、いつも座っている椅子から見える位置に置いていたことから、心のどこかにはまだ漫画への情熱が残っているんだろうなぁと想像がつきます。そんな漫画家の行動を見て、全てを悟った或人が頷く。この頷きがめちゃくちゃかっこいい! そこから変身の流れはまさにスーパーヒーローって感じだ。

 「情熱」の言葉から着想を得て生まれた新フォーム・フレイミングタイガー、言わば「情熱」が具現化したようなもの。そのフレイミングタイガーの戦いを見ることで漫画への情熱を取り戻す漫画家。物語のテーマと新フォームをうまく絡ませた構成がおもしろい。変身時の炎と漫画のコマ割り風バトル演出もすごかった! 不破諌、或人本人がギャグと思ってやってないことでも笑うって、もうめちゃくちゃファンじゃないか。

 情熱を取り戻し、再び漫画を描き始めた漫画家。最初は4人いたヒューマギアも背景担当の1人だけになっている。安直すぎないかと思っていた今回のヒューマギアの名前「ジーペン」がGペンと重なって、余韻を残した良いラストシーンでした。

 情熱を手に入れた人物がもう1人。機械であるがゆえに合理的な判断を求め、ときには或人と意見の食い違うこともあったイズですが、先代社長との会話を思い出し、人間の情熱と或人の判断に理解を示します。感情に対する理解が回を追うごとにどんどん深まっていって、いつかイズにも自我が芽生えるときが来るのでしょうか。

 無表情でプログライズキーをぶん投げるイズがかわいいと思った第5話でした。