【ゼロワン】第32話、デルモって言ったら

仮面ライダーゼロワン』

第32話「ワタシのプライド!夢のランウェイ」
監督:田崎竜太
脚本:筧昌也

www.kamen-rider-official.com

【感想】

 今回登場するのは、ファッションモデル型ヒューマギアのデルモちゃん。前回登場したジーペンとは違い、彼女はすでにシンギュラリティに達していて、「ランウェイを歩く」という夢を追っている。「ワタシがワタシらしくあること、それが一番のモデルの仕事なの」撮影でも耳のモジュールを消さないデルモは、ヒューマギアであることにプライドをもってモデルの仕事に臨んでいた。そんなデルモの夢を通して、不破諌の中にいる亡の覚醒がこの話では描かれます。

 デルモ破壊の命を受けて飛電製作所に乗り込むエイムズ。飛電の用心棒となった諌が対抗しようとするが、刃唯阿によって亡の人格が引き出されてしまう。そこへ迅が現れ「僕を信じてくれ」と或人に言い残し、亡を解放するため、バルカンを滅亡迅雷のアジトへと連れ去っていく。

 「人間に従う必要はもうないんだよ」と亡を説得する迅。このときの眠っている諌の影が喋り出す演出がかっこいい。ファイズオルフェノクの会話を思い出しますね。撮影現場で、デルモに「君の夢は何?」と尋ねる或人。するとデルモの背中が亡の背中に重なって場面転換していく。おそらく迅も亡に同じ質問をしたのだろう。前回、或人からラーニングしたことを早速実践している。「ヒューマギアが夢を見てもいいのか」亡の意思が徐々に変わり始めるが、いいところで諌が目を覚ましてしまう。「人の体を勝手に使うな」「俺は亡じゃねえ」と諌のプライドが悪い方に働いてしまった。

 イベント会場で諌と滅が遭遇する。このとき何があったかここでは描かれていないが、この直後に亡の意思が変わった。「夢が何なのか、ワタシにはまだわからない」「だから、代わりにヒューマギアの夢を叶えたい」まさに夢の守り人。「ワタシはヒューマギア、でも道具じゃない」亡だけの青白い世界が現実の世界に変わる。押さえ込まれていた亡の意思が表に出てきたということだろうか。そして諌の「俺にも聞こえた、亡の声が」というシビれるセリフ。諌と亡が重なり、二人同時変身。自分の中の亡を認めることで、諌もまた一つ成長したようだ。

 イベント後のインタビューで、夢を持ったヒューマギアは暴走することがないと強く訴える或人。飛行船に映るその映像を見上げる唯阿。何層にも入り組んだ迷路のような道を歩くその姿は、唯阿の心の迷いをそのまま表している。

 サウザーの攻撃を受けてデルモが美顔ローラーを落としたとき、プログライズキーみたいな音がしたことにちょっと笑ってしまった。デルモにとっての変身アイテムと言うことか。