【ゼロワン】34・35話、失われた記憶

仮面ライダーゼロワン』

第34話「これが滅の生きる道」
監督:中澤祥次郎
脚本:筧昌也

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第35話「ヒューマギアはドンナ夢を見るか?」
監督:中澤祥次郎
脚本:筧昌也

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【感想】

 不破諌の最大の秘密、ゲラであることがついに明かされました。ヒューマギアに襲われた暗い過去を持ち、「俺に笑いはいらない」とずっと爆笑をこらえてきた諌。しかし、その記憶は偽の記憶で、亡から聞かされた本当の記憶はごく普通の平凡な人生でした。そのことに安心したのか、亡の放ったどうしようもないダジャレに諌は大爆笑。諌がみんなの前で笑える日が来るとは。過去に縛られていた諌が本当の自分を取り戻した感動的な場面。それをギャグっぽく描いているのも良いですね。

 全く知らない諌の新たな一面を見て、刃唯阿は何を思うのか。

 「失われた記憶」がひとつのテーマになっていて、諌と同じように、滅も父親型ヒューマギアだった記憶を取り戻します。

 滅と飛電或人、そして今回登場する畑山親子と農業管理ヒューマギア・ミドリを主軸に「父と子」にまつわる話が展開していきます。畑山の営む野菜工場も「育てる」という意味で、もしかしたら関わっているのかもしれません。

 「父と子」を表すものとして、父が子をかばう描写がたびたび登場します。第34話の畑山父が滅から息子を守る場面。ここで畑山父がケガを負い、それを補うために息子がザイアスペックに手を出すという、物語の布石にもなっています。

 第35話の滅がゼロワンから迅を守る場面。第15話で滅が破壊されたときを思い出しますね。あのときはアークの意思による行動でしたが、今回はどうやら違うようで。迅を守ったことに自分でもおどろく滅。そのあとの滅亡迅雷.netのアジトで迅を見つめる滅と、その視線に気づいて微笑む迅がイイ。この迅の笑顔が、父親になってくれてうれしい笑顔のようにも、なにか裏があるような笑顔にも見えて、これから先が気になるところ。

 そしてゼロワンがサウザーから滅を守る場面。滅も飛電インテリジェンスに作られたヒューマギアならば、ある意味、或人は親のようなもの。ミドリを破壊され「お前を倒すしかない」と一度は滅を信じられなくなった或人でしたが、迅をかばった滅を見て、父親型ヒューマギアの記憶がまだあることに気づく。更生の可能性を信じて滅をかばう或人の姿に親子のような深い愛情を感じました。

 亡と雷が復活し、勢揃いした滅亡迅雷.net。アークの意思のまま、今後も或人の敵として立ちはだかるのか、迅の語る正義とは何なのか、今後もますます気になります。