【ゼロワン】第3話をおすしかない

仮面ライダーゼロワン』
第3話「ソノ男、寿司職人」
監督:中澤祥次郎
脚本:高橋悠也

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【感想】

 ようやくオープニング映像を見ることができました。タイトル名を連呼する懐かしいスタイルから始まり、力強い歌唱、カッコいいギター、聞いていて気持ちのいい韻の踏み方がクセになり、何度もリピートしています。映像の方では、「髪の長いイズ」と「涙」が気になりますね。特に、「ヒューマギアが涙を流す」は、今後の物語の核になっていきそうな予感。

 毎回思うんですけど、これって誰が作っているのでしょうか。第1話を担当した監督なのかな?

 この第3話、「新しいライダー」、「フォームチェンジ」、「ヒューマギアと心」、「ヒューマギアと人との関わり」など、それ単体でも話が成立しそうなテーマが1話分にまとめられていて、なかなかすごいです。しかも、わかりやすくてテンポもいい。そして、それらを繋いでいるのがイカの敵と寿司屋というのが、なんともユーモアがあっておもしろいなあ。終わりには、新たな展開を予感させる謎のキャラクターが登場し、視聴者を最後まで引きつける。どこを切り取っても重要な場面で、全く飽きることのない完璧な1話だったのではないでしょうか。

 或人のギャグもだんだんとノってきているように見えます。

 3人目のライダー、刃唯阿。これまでは、命令を無視する不破に振り回される上司といった薄い印象でしたが、今回掘り下げられた彼女のキャラクター、ヒューマギアを道具としてしか見ていない、そのドライさに衝撃を受けました。

 なぜ衝撃を受けたのか、その理由は冒頭の描写にあります。

 或人がヒューマギアの営業をする冒頭の場面。なかなかうまくいかない或人に刃は、ヒューマギアの魅力を伝えるための助け舟をだします。不破とは違う、ヒューマギアに対して理解のある態度に、「この人は或人と同じ考えなんだ」と勝手に思い込んでしまいました。そうして安心している状態からのあの展開。裏切りと言うとおおげさですが、冒頭のあの笑顔があるからこそ、「ただの道具だ」というセリフがより際立ち、より深く印象に残ったんだと思います。さらに、その冒頭の描写が、終わりの新しい展開の伏線にもなっているという。やっぱりうまい。

 軽やかな体術を使った戦闘は、他の2人のライダーとはまた違った趣で新鮮。側にあった箱を使って敵の攻撃を防いだように、周りの道具をうまく使っていく頭脳派のライダーになるのでしょうか。

 3人のライダーが登場しましたが、ヒューマギアに対する感情がそれぞれ違っているのが個性的でいいですね。

 心の通った相手を破壊しなくてはいけない、或人の痛みを伴いながら戦う姿は素直に好感がもてますし、今後の展開にも目が離せません。

 みなさん『仮面ライダーゼロワン』をおすしかない。